長い人類の歴史の中で日本人が「住まい」と言えるようなものに住んできたのはここ千数百年である。
その短い期間の中で、この戦後60年間が一番「住まい」の意識が変動してきたのではないだろうか。
高度成長に伴う新建材・新工法の誕生は、住まいの造りを劇的に変えた。
一見今までと同じような建物であってもその中身(材料・組み方・作業工程等)は大きく違う。
しかし、日本の温暖で湿気の多いという気候は唯一今も昔も変わらない。
地域によって寒暖の差はあるが、四季があり、高温多湿な時期と低温乾燥な時期が一年を掛けて緩やかに変化していく。
その中で「住まい」として何が最適で最良かはまったく個人の価値観にまかされている。
各個人によって必要としているものが違っているので当然のことだが、
果たして求めるものだけを形にした「住まい」は、その人が健康的に過ごせる場所になるのだろうか。
他人に自分の価値観を押し付けるつもりはないが、自然に逆らわない住まいが住む人にとって健康的で安心できる住まいではないかと思う。
特に季候温暖な讃岐の地において、北海道の家や沖縄の家を持って来てもある意味非常に使いにくい家となるだろう。
その土地にはその土地に合った「住まい」の型がある。
気候風土に合わない住まいは、家にも、そこに住む人たちにもストレスを与えかねない。
もうひとつ厄介なことには人間の価値観は年齢とともに変化・進歩することである。
30歳、40歳、50歳、60歳と年を経るごとに住みたい家は当然変わってくる。
だが、住まいはその変化に、そう簡単には対応できない。
だからこそ、造る時に数十年後のリフォームを考えた設計が最近注目されてきている。
『車を買う時は、10年後を考えて買え』と言われている。
その言い方を借りるなら、『住まいを作る時は20年、30年後を考えて作る』必要があると思う。
私たちは、皆様にいつまでも 健康 で 安心 して住んで頂ける場所を提供していけるよう、
材料にこだわり、設計にこだわり、『住まい』そのものにこだわっていきます。
そして建築後の管理にも力を入れていくことをお約束します。
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